山林部現地立会では危険動植物にご注意ください
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山林部現地立会の留意点
山林部現地立会においては、スズメバチ、ヤマビル、マダニ、チャドクガ、マムシ、ツキノワグマ、イノシシ、ウルシのようなさまざまな危険動植物と遭遇する可能性があります。
立ち会っていただくうえで事故を未然に防ぎ、また被害を最小限に抑えるため、神河町内(山林部・平地部)に生息する危険動植物をご紹介します。
山林部現地立会にお越しになられる方はぜひご一読ください。
なお、このページでは具体例として画像を掲載しておりますので、虫や動物が苦手な方はご注意ください。

神河町の山林に生息する危険動植物について
神河町内の山林部や平地部に生息する危険動植物をご紹介します。
これらの動植物は、むやみに刺激したり、触れたりしてしまうと命に関わる事態を引き起こす可能性がありますので、近づくことのないようにご注意ください。

スズメバチ

スズメバチはハチの中でも大型の種で攻撃性が非常に高く、また保有する毒も強力で、刺された際は激しい痛みを伴います。
さらに、スズメバチの毒によりアナフィラキシーショックが引き起こされると、じん麻疹や嘔吐、血圧低下、呼吸困難等の症状が現れます。
夏から秋にかけては活動が活発になり、より危険性が増すので注意が必要です。

スズメバチの対策
- 香水、整髪料、柔軟剤等匂いを発するものをお控えください。
- 遭遇した場合は低い姿勢で静かにその場から離れてください。
- このとき、タオルではたいたり大きな声を出すと、スズメバチが興奮して攻撃性が増すのでご注意ください。
- 山林部では木の枝や木の根元、木の穴に巣を作っていることが多いため、周囲をよく確認して、先導者が通ったルートから外れないようにしましょう。

スズメバチに刺されたら
- 付近に巣がある可能性が高いため、刺された場所から50mほど離れましょう。
- 傷口を水で洗い流し、吸引器で毒を吸い出してください。

ヤマビル
写真提供:中はりま森林組合 喜多宏高 氏
ヤマビルは体温や炭酸ガスを感知し、尺とり虫のようにほふく運動をしながら人に接近して、皮ふから吸血します。
湿度が高く暗い環境を好むので、落ち葉が堆積している場所等を通る際は、足元に付着していないか定期的に確認する必要があります。
吸血後は出血が止まりにくいことと、稀に細菌感染による二次的な症状を引き起こす可能性があります。吸血時には痛みを感じにくい物質を出しているため、吸われていることに気づかないこともあります。吸血後の傷口から細菌感染が起こる可能性があり、その場合には、破傷風やその他の細菌感染症に注意が必要です。

ヤマビルの対策
- ヤマビルが入り込まないよう、衣服の隙間を塞いでください。
- ヤマビルの忌避剤や虫よけスプレーを足もとに塗布してください。

ヤマビルに吸血されたら
- ヒルは吸血時に血液の凝固を妨げるヒルジンという成分を注入します。ヒルジンを絞り出すため、傷口をつまんで血を押し出し、水で洗い流してください。

マダニ

タカサゴキララマダニ(大型のマダニ) 写真提供:中はりま森林組合 喜多宏高 氏
マダニは、シカやイノシシ等の野生動物が出現する環境に多く生息しており、草むらで野生動物や人を待ち伏せして付着したのち、吸血します。
また、マダニはまれにライム病やSFTS等の感染症を引き起こすウイルスを媒介するため、注意が必要です。

マダニの対策
- 忌避剤や虫よけスプレーを塗布してください。
- 草むらに入ったあとや現地立会終了後にマダニが付着していないか定期的に全身を確認しましょう。体長が3ミリから6ミリほどと小さいため、見落としがないかご注意ください。
- 付着していた場合はガムテープ等で取り除いてください。

マダニに咬まれたら
- マダニは咬みつくと強固に皮ふと連結し、数日間吸血し続けます。このとき自力で除去しようとすると、マダニの一部が皮ふ内に残留して化膿したり、マダニの体液が体内に逆流して感染症の危険性が増したりする可能性があるので、自力で除去しようとせず速やかに医療機関で処置を受けてください。

チャドクガ

チャドクガ(幼虫)

チャドクガ(成虫)
チャドクガは幼虫・成虫ともに有毒の針(毒針毛)を有しており、この針に刺されると強いかゆみを伴う皮ふ炎を引き起こします。また、直接チャドクガに接触しなくても、飛散した針に接触することで同様の症状が現れます。
ツバキやサザンカなどの葉に生息しており、春から夏にかけて発生します。

チャドクガに刺されたら
- 毒針毛を広げてしまうため、こすったりかいたりしないようご注意ください。
- 毒針毛が付着した箇所をテープ等で取り除き、水で洗浄してください。
- 衣類等に付着した場合は、テープで取り除きほかの洗濯物と分けたうえで洗濯してください。

ムカデ

写真提供:中はりま森林組合
噛まれた箇所に激痛や腫れを引き起こす可能性があります。また、過去にムカデに噛まれたことがある人が再び噛まれると、アナフィラキシーショックを引き起こすこともあります。

アブ

写真提供:中はりま森林組合
アブは皮膚をかみ切り、滲み出た血を吸います。アブに噛まれてしまうと、一般的には患部の腫れと激しい痒みを感じます。痒みは噛まれた直後よりも数時間から数日後にピークを迎えることが多く、時には2~3週間ほど続きます。

ヒキガエル
写真提供:中はりま森林組合 喜多宏高 氏
ヒキガエルは目の後ろにある耳腺や体表のイボ状の突起からブフォトキシンという毒を分泌します。この毒は口などの粘膜に入ると炎症を起こしたり、心臓に異常をきたしたりする可能性があるため、素手で触らないように注意が必要です。

マムシ

写真提供:神河町役場農林政策課
マムシは出血性の毒を有した蛇で、水辺や草むらに生息しています。
暗褐色の体表をしており、山林部では視認が困難なため踏みつけないようご注意ください。

マムシに咬まれたら
- マムシに咬まれたら吸引器で毒を吸い出し、水で咬傷箇所を洗い流してください。
- 体液が循環して毒が全身に回るため、激しく動いたり走ったりせず、安静にしてください。

ヤマカガシ
写真提供:中はりま森林組合 喜多宏高 氏
日本のヘビの中でも最も強い毒をもつのがヤマカガシです。毒は頸部の背面と毒牙から分泌されますが、毒牙は上顎の奥の方にしかないため頻繁に噛まれるわけではありません。首の背面の毒腺からは捕食したヒキガエルの毒が分泌されているので、それが皮膚につくと炎症を起こすことや,目に入ると失明の恐れがあります。

ツキノワグマ

写真提供:神河町役場農林政策課
黒色の体毛で胸に白いV字形の模様を有した中型の熊で春から秋まで活動しますが、特に秋から冬眠に向けて活発に行動します。
積極的に人を襲う行動はしませんが、子連れなどの状況や個体差により人を襲う場合があります。

ツキノワグマの対策
- クマは遭遇しないように心がけることが大切です。事前対策として防災ネットかみかわでクマの出没状況を確認しましょう。
- クマは人の気配を察すると、人との遭遇を避けようとするため、調査中は鈴を身に着け、クマに自分の存在を知らせましょう。
- 周囲をよく観察し、クマの糞や爪痕等の痕跡からクマの出没を予測しましょう。

ツキノワグマに遭遇したら
- クマは背を向けて逃げるものに対して追いかける習性があるので、クマから視線を外さず、ゆっくりと後退しながらその場を離れてください。
- クマを刺激しないよう、騒いだり威嚇したりしないようご注意ください。

イノシシ
イノシシは警戒心が強く臆病な性格をしており、人の気配を察すると逃げますが、興奮していたり刺激したりすると、突進や噛みつき等の被害を受ける可能性があります。
また春から夏にかけては子連れのイノシシが現れる時期なのでより注意が必要です。

イノシシに遭遇したら
- 大声をだしたり慌てて走りだしたりせず、イノシシを刺激しないことを心掛け、ゆっくりと後退してください。
- イノシシは動いているものに対して敏感に反応する性質があるため、物陰があれば隠れましょう。また、木に登る等で高いところに避難することも効果的です。
- イノシシの退路が人間のいる方向しかない場合、イノシシがその方向に向かってくることがあるので、イノシシに道を明け渡しましょう。

カエンタケ(毒キノコ)
写真提供:中はりま森林組合 喜多宏高 氏
カビ毒の一種「トリコテセン」という毒性成分を持っています。過去の戦争で化学兵器として使われたほどの猛毒です。致死量はわずか3gであり、食後10~30分ほどで吐き気や下痢、体のしびれなどがあらわれ、重症のケースでは数日で死に至ります。トリコテセンは皮膚からも吸収され、触れただけで炎症を起こしてしまうので要注意です

ベニテングダケ(毒キノコ)
写真提供:中はりま森林組合 喜多宏高 氏
ベニテングタケを触ると、特に皮膚の弱い場所では炎症を起こす可能性があります。毒性が強く、誤って食べると、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などの消化器系の症状や、神経系の症状が現れることもあります。まれに死に至る場合もあります。

ウルシ
ウルシは接触したり近くを通ったりすると、ウルシの主成分であるウルシオールという物質が表皮から侵入し、アレルギー性接触性皮ふ炎を引き起こす植物です。
接触した箇所はかゆみやむくみの症状が現れます。

ウルシにかぶれたら
- 水でかぶれた箇所を洗浄してください。
- かぶれた箇所をかいたり触ったりせず、皮膚科で処置を受けてください。

シキミ(常緑樹)
山地に生える常緑低木。全株有毒であるが,特に果実に毒が多く,食べると嘔吐、腹痛、下痢、けいれん、意識障害などを引き起こす可能性がある。

ヌルデ(ウルシ科)
写真提供:中はりま森林組合 喜多宏高 氏
葉や茎を傷つけると出る白い乳液に毒成分のウルシオールを含んでおり、触ると遅延型接触皮膚炎と呼ばれる1~2日後に発症するアレルギー性皮膚炎を引き起こします。患部はかゆみが非常に強く、かきむしることでさらに症状が悪化します。敏感な人の場合触るだけ、近くを通るだけでも発症することもあります。

ツタウルシ
毒性が強く、そばに寄っただけでもかぶれることがあります。皮膚に触れた部分に、かゆみと発赤を伴う発疹と多数の水疱が生じます。

ヒサカキ(姫榊)
ヒサカキ (姫榊) には、一般的に毒性はありませんが、ヒサカキにつきやすい害虫のホタルガの幼虫には注意が必要で、幼虫の体液に毒があり、皮膚に触れると発赤や痒みが生じます。

ジャケツイバラ
ジャケツイバラは枝や葉軸に鋭いトゲがあり、衣服や体に引っかかると怪我をする可能性があります。特に、若い個体は棘の返しまであるため、絡み合った状態から無理に引き剥がすと、トゲが残ったり、衣服が破れたりする可能性があります。

サルトリイバラ
毒はありませんが、トゲが鋭く、皮膚を傷つけやすいのが危険です。
お問い合わせ
神河町役場地籍課
所在地: 〒679-3115 兵庫県神崎郡神河町比延5番地の2(大河内保健福祉センター1階)
電話番号: 0790-34-0965 ファックス番号: 0790-34-0332