○神河町議会基本条例

平成24年12月13日

条例第22号

目次

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 議会組織と運営(第3条―第9条)

第3章 議会及び議員の活動原則(第10条・第11条)

第4章 会議の活性化(第12条―第14条)

第5章 情報公開(第15条・第16条)

第6章 広報公聴活動(第17条・第18条)

第7章 議会事務局の設置等(第19条・第20条)

第8章 改廃手続き(第21条・第22条)

附則

地方分権社会の進展とともに地方自治体の権限が拡大され、これを監視する地方議会の責任と役割の重要性がますます高まっており、議会力の強化が求められている。議会は住民及び町行政機関との関係、さらには住民と町行政機関との関係において、三者間の公平公正かつ民主的な関係を構築する責務を負っているとともに、組織としての活動強化策を講じなければならない。議員は自らの資質向上に努め、住民との密接な連携を図りながら、町づくりに対する住民の多様な思いを的確に反映させることが望まれている。

神河町民(以下「町民」という。)から選挙で選ばれた議員で構成される神河町議会(以下「議会」という。)及び神河町長(以下「町長」という。)は、二元代表制の下に各々の機能と権能を十分に発揮し、計画、政策、施策、事業等(以下「政策等」という。)の立案、審議及び執行による神河町(以下「町」という。)の健全な発展及び町民の福祉向上の実現に不断の努力を積み重ねなければならない。

この条例は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)で規定された議会の機能と権能をより高めるため、あらゆる角度から現状を点検した上で、議会のあるべき姿とその活動に関する基本的な事項を定めるものであり、議会における最高規範として位置づけられるものである。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、町長及び執行機関の職員(以下「町長等」という。)と議会が、政策等に関しての議論を尽くして相互の理解を一層深め、両者と町民との強い信頼関係を築くための方策を示して、住民自治の理念の下で町民、議会及び町長等が三位一体の町づくりに寄与することを目的とする。

(最高規範性)

第2条 この条例は議会における最高規範であって、議会はこの条例に違反する条例、規則、規程等(以下「例規等」という。)を制定してはならない。

2 議会は、この条例に規定されるもののほか別に定めた例規等について、法令に違反しない限りで、町民主体の独自性に富んだ内容にすべく継続的に見直さなければならない。

第2章 議会組織と運営

2 議員定数条例の改正案は、法第74条第1項の規定による町民の直接請求があった場合を除き、必ず議員又は委員会がこれを提案するよう努める。

3 議会は、議員定数を改めるに当たって、地方分権社会の進展にふさわしい議会力の向上に最大の意を用い、広報公聴活動をつうじて適正な結論を得るよう努めなければならない。

(委員会の設置及び運営)

第4条 議会に設置する委員会は、常任委員会、議会運営委員会及び必要により設置する特別委員会とする。

(会議の種別)

第5条 議会の会議は、本会議、常任委員会、議会運営委員会、特別委員会及び全員協議会とする。

(議会運営委員会の活用)

第6条 議長は、議会運営委員会機能を十分活用して町民の負託に応える議会運営を目指すとともに、議会の機能及び権能の向上と強化に努める。

(全員協議会の活用)

第7条 議長は、議案の審査又は議会の運営に関し、協議又は調整を行うための全員協議会を主宰する。

2 議長は、全員協議会機能を活用して議員間討論の機会を多く設け、議会力及び議員資質の向上に努める。

(議員研修)

第8条 議会は、議会内研修を必要ある都度実施し、県議長会主催の研修会及び近隣市町との交流事業等にも積極的に参加する。

2 経費支出を伴う研修は、予算措置をしておかなければならない。

(調査研究)

第9条 議会は、経費支出の伴う調査研究を、議会単位又は委員会単位で計画し、実施する。議員個人の調査研究は、これを経費支弁の対象とはしない。

2 調査研究経費は、当該年度に実施計画が明らかな場合を除き、これを当初予算には計上しない。緊急度が高いと判断される事例については、補正予算でこれに対応する。

第3章 議会及び議員の活動原則

(議会の活動原則)

第10条 議会は、町民を代表する最高の意思決定機関であることを常に認識し、いかなる時にあっても町の健全な発展及び町民福祉の向上を念頭に活動しなければならない。

2 議会は、町民の意見を広く聴取し、政策提言及び政策決定それぞれの過程における真に自由で豊かな討論を前提にした合意形成に努めなければならない。

3 議会は、情報公開に努め、町民に対する説明責任を十分に果たさなければならない。

(議員の活動原則)

第11条 議員は、町民全体の代表者であって、個別的事案の解決に偏らずに町の健全な発展及び町民全体の福祉向上を目指した活動をしなければならない。

2 議員は、町民の多様な意見を的確に把握するとともに、自らの政策立案能力を高めるため、不断の研鑽けんさん及び調査研究に努めなければならない。

3 議員は、議会が言論の府であり、議会制民主主義の下での団体意思決定機関であることを十分認識した上で、会議及び議員間討論に臨まなければならない。

4 議員は、町民の観点に立って行財政運営を監視し、批判を行うに当たっては実現性のある具体的代案をもってなさねばならない。

5 議員は、賛否の立場を議場で明確に示して、町民にその意思が正しく伝わるよう努めなければならない。

6 議員は、政策等の合意形成過程において主張が相いれずとも、議決された団体意思又は機関意思に違背いはいする行動を取ってはならない。

7 議員は、委員会での議案審議において可決又は否決された議案に対し反対の立場を執った場合、本会議においても同じ立場を執ることは何ら差し支えない。この場合、委員会においてその旨の意思表示をしておかなければならない。

第4章 会議の活性化

(討論の拡大及び反問権)

第12条 会議における議員の質問は、町政上の論点及び争点を明確にするため、一問一答方式でこれを行う。

2 議長から会議への出席を要請された町長等は、議長又は委員長の許可を得て、議員の質問に対して反問することができる。ただし、質問の要旨及び論点を明らかにするためのものに限る。

3 議員及び町長等は、その発言に当たって要旨を簡潔に述べるように努め、いたずらに時間を費やすことは慎まなければならない。

(説明資料の提供)

第13条 議会は、町長が予算案及び決算の議案を議会に提出して議会の審議に付するに当たって、施策別又は事業別の分かりやすい政策説明資料を作成するよう、町長に求めることができる。

2 議会は、町長が重要な政策等を議会に提出するときは、次に掲げる事項について明らかにするよう、町長に求めることができる。

(1) 政策等の策定の背景及び経緯

(2) 政策等の目的及び目標

(3) 他の自治体の類似する政策等との比較

(4) 策定時の町民参画の有無とその内容

(5) 町総合計画との整合性

(6) 財源措置

(7) 将来にわたるコスト計算

3 議会は、前2項の議案審議に当たって、策定及び執行における論点及び争点を明らかにするとともに、執行後における政策評価に資する審議に努める。

4 議員は、会期中又は閉会中を問わず、議長を経由して町長等に対し文書質問を行うことができる。町長等は、議長を経由して文書によって回答するものとする。

(法第96条第2項に規定する議決事件)

第14条 法第96条第2項の規定に基づく議会の議決事件は、町政全般にわたる重要な計画等について計画的かつ町民の視点に立った透明性の高い町政運営を確保するため、次に掲げる事件とする。

(1) 町における総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本構想及び同構想に基づく基本計画に関すること。

(2) 前号に掲げるもののほか、町行政の各分野における政策等の基本的な方向を定める計画、指針その他これらに類するもので、次に掲げるもの

 都市計画、上下水道等に関する計画

 社会福祉及び医療に関する計画

 農林水産業、商工業その他の産業の振興に関する計画

 町民生活の安全、交通及び環境に関する計画

 教育に関する計画

 次世代育成及び男女共同参画に関する計画

 人口問題及び住宅に関する計画

 行財政改革大綱

 長期財政計画

 からに掲げるもののほか、議長が必要と認める計画

(3) 町が他団体と結ぶ提携又は協定のうち、予算を伴うもの

第5章 情報公開

(会議の公開)

第15条 議会の会議は、原則としてこれを公開する。

2 会議公開に当たっての細部の取扱いは、委員会条例会議規則及び神河町議会傍聴規則(平成17年神河町議会規則第2号)の規定によるものとする。

(資料等の公開)

第16条 議会は、町民から議会が保管すべき資料等の公開又は閲覧の要求があった場合は、神河町情報公開条例(平成17年神河町条例第19号)に基づき対応しなければならない。

第6章 広報公聴活動

(広報活動)

第17条 議会は、町政課題又は政策の審議から決定に至る経過を分かりやすく町民に発信し、議会と町民の間に距離感のない意見交換が日常的にできるよう情報の提供に努めなければならない。

2 議会は、前項の達成手段として定例会ごとに議会広報誌を発行し、ケーブルテレビ放送、インターネット、その他のメディアの積極的な活用に努めなければならない。

3 議会は、前項に掲げる手段又はその他の方法により、町民との対話が組織的かつ継続的に実践できる仕組みの整備に努めなければならない。

(公聴活動)

第18条 議会は、町民の要望や意見の聴取又は重大事件の調査のため、参考人に会議への出席を求め、その意見を聴くよう努める。

2 議会は、必要に応じて重要議案に関する公聴会を開催する。

3 議会は、前2項を含む公聴活動の仕組みを整備し、実践するに当たって、町民及び学識経験者との良好な関係の構築と維持に努めなければならない。

第7章 議会事務局の設置等

(事務局の設置)

第19条 議会には議会事務局を置き、事務局長及び事務局職員(以下「事務局長等」という。)を配置する。

2 議長は、事務局長等を任免し、その指導と監督に当たる。

(事務局の充実)

第20条 事務局は、議会活動に必要な資料及び情報の収集に努めなければならない。

2 事務局は、情報公開並びに議員の調査及び研究の用に資するため、議事録をはじめ刊行物、図書等を管理しなければならない。

3 事務局長等にあっては、常に中立かつ公正な立場でなければならない。

第8章 改廃手続き

(改廃の手続き)

第21条 この条例を改廃するときは、全員協議会での十分な議論を経て、議会運営委員会が改廃案を提出するものとする。

(改廃の要件)

第22条 次の各号の一に該当する場合においては、議会はこの条例を改廃することができる。

(1) 法の改正又は町の制度若しくは政策等の変更に伴う場合

(2) この条例を運用することで議会運営上又は町政執行上において重大な支障を来すおそれがある場合

(3) この条例の補完と充実を図る場合

(4) この条例の理念に添った成果が期待できない事項を見直す場合

この条例は、平成25年1月1日から施行する。

(令和3年9月2日条例第22号)

この条例は、公布の日から施行する。

神河町議会基本条例

平成24年12月13日 条例第22号

(令和3年9月2日施行)

体系情報
第2編 議会・選挙・監査/第1章
沿革情報
平成24年12月13日 条例第22号
令和3年9月2日 条例第22号