○神河町犯罪被害者等支援条例

令和元年12月9日

条例第47号

(目的)

第1条 この条例は、自らの責めに帰すべき事情がないにもかかわらず、不幸にして犯罪行為により傷害を受けた神河町民(以下「町民」という。)又はその行為により不慮の死を遂げた町民の遺族を支援することにより、精神的被害の軽減を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「犯罪被害」とは、日本国内又は日本国外にある日本船舶若しくは日本航空機内において行われた人の生命又は身体を害する罪に当たる行為(刑法(明治40年法律第45号)第37条第1項本文、第39条第1項又は第41条の規定により罰せられない行為を含むものとし、同法第35条又は第36条第1項の規定により罰せられない行為及び過失による行為を除く。以下「犯罪行為」という。)による傷害又は死亡をいう。

2 この条例において「傷害」とは、医師の診断により、全治1月以上の加療を要するものをいう。

3 この条例において「町民」とは、犯罪被害を受けた当時神河町(以下「町」という。)において住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)により記録されている者とする。

4 この条例において「被害者」とは、犯罪行為により傷害を受けた町民又は不慮の死を遂げた町民とする。

5 この条例において「二次的被害」とは、犯罪行為により直接害を被るもののほか、次に掲げる事由その他の事情により、被害者及びその遺族又は家族(以下「被害者等」という。)が正当な理由なく被る経済的な損失、精神的な苦痛、心身の不調、プライバシーの侵害その他の犯罪等に関する二次的な害をいう。

(1) うわさをたてられること。

(2) 人々から中傷されること。

(3) 報道機関から取材を受けること。

(4) 報道されること。

(5) 転居を余儀なくされること。

(支援金の支給)

第3条 町は、この条例の定めるところにより、被害者に対して傷害支援金又は第1順位遺族に対し遺族支援金(以下「傷害支援金等」という。)を支給するものとする。

(遺族の範囲及び順位)

第4条 遺族支援金の支給を受けることのできる遺族は、被害者の死亡のときにおいて、次の各号のいずれかに該当する町民とする。

(1) 被害者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)

(2) 被害者の収入によって生計を維持していた被害者の子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹

(3) 前号に該当しない被害者の子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹

2 被害者の死亡の当時胎児であった子が出生した場合の前項の規定の適用については、その子は、その母が被害者の死亡の当時被害者の収入によって生計を維持していたときにあっては同項第2号の子と、その他のときにあっては同項第3号の子とみなす。

3 遺族支援金の支給を受けるべき遺族の順位は、第1項各号の順序とする。なお、第1項第2号及び第3号に掲げる者のうちにあっては、それぞれ当該各号に掲げる順序とし、父母については、養父母を先にし、実父母を後にする。

(傷害支援金等の額)

第5条 傷害支援金等は一時金とし、その額は次のとおりとする。

(1) 傷害支援金の額は、10万円とする。

(2) 遺族支援金の額は、30万円とする。

2 遺族支援金の支給を受けることができる遺族が2人以上あるときは、遺族支援金の額は、前項第2号の規定にかかわらず、同号に定める額をその人数で除して得た額とする。

(傷害支援金等の支給申請)

第6条 傷害支援金等の支給を受けようとする者は、規則で定めるところにより、町長に申請するものとする。

2 前項の申請は、当該犯罪被害の発生を知った日から2年を経過したとき又は当該犯罪被害が発生した日から7年を経過したときは、することができない。

(傷害支援金等の支給制限)

第7条 町長は、次に掲げる場合には、傷害支援金等の支給をしないことができる。

(1) 被害者と加害者との間に親族関係(事実上の婚姻関係を含む。)があるとき。ただし、被害者が配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成13年法律第31号)第1条第2項の規定に該当する被害者である場合は、この限りではない。

(2) 被害者が犯罪行為を誘発したとき、その他当該犯罪被害につき、被害者にも、その責めに帰すべき行為があったとき。

(3) 前2号に掲げる場合のほか、被害者又はその遺族と加害者との関係その他の事情から判断して、傷害支援金等を支給することが社会通念上適切でないと認められるとき。

(決定)

第8条 町長は、第6条の申請があった場合には、速やかに審査の上支給の適否を決定しなければならない。

(傷害支援金等の返還)

第9条 町長は、偽りその他不正の手段により傷害支援金等を受けた者があるとき又は傷害支援金等の支給後において、第7条の規定に該当することが判明したときは、当該傷害支援金等をその者から返還させるものとする。

(相談及び情報の提供等)

第10条 町長は、被害者等が日常生活や社会生活を円滑に営むことができるようにするため、被害者等が直面している各般の問題について相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行うものとする。

(関係機関等との連携)

第11条 町長は、警察及びその他関係機関(以下「関係機関等」という。)との連携を強化し、被害者等の精神的負担の軽減とこれらの者に対する支援のためのネットワークの形成を推進するものとする。

(啓発活動の推進)

第12条 町長は、被害者等が置かれている状況、被害者等の名誉又は生活の平穏への配慮及び支援の重要性について、町民の理解を深めるよう必要な啓発活動を推進するものとする。

(研修体制の整備)

第13条 町長は、被害者等の精神的負担の軽減とこれらの者に対する支援について、適切に対応できる職員を育成するための研修を行っていくものとする。

(町民の責務)

第14条 町民は、被害者等が置かれている状況についての理解及び被害者等を地域で支え合うことの重要性についての理解を深めるとともに、二次的被害が生じることのないよう十分に配慮するよう努めなければならない。

2 町民は、町及び関係機関等が行う被害者等の支援に協力するよう努めなければならない。

(民間支援団体等に対する支援)

第15条 町は、被害者等の支援に関する専門的な知識及び経験を生かし活動を行う民間支援団体その他の被害者等の支援に関係する者に対して、その活動の促進を図るため、必要な支援を行うものとする。

(委任)

第16条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、公布の日から施行し、同日以後に発生した犯罪被害について適用する。

神河町犯罪被害者等支援条例

令和元年12月9日 条例第47号

(令和元年12月9日施行)